無限探求打楽器奏者『ワイパー・イトウ』ブログ

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僕と彼女と暴力と狂気~たくあんの作り方~ その2

<前回(その1)はこちら http://wiper-ito.hatenablog.com/entry/2017/05/03/110559

  

  

  

再び、彼女をまな板の上へ。

  

僕は冷たく輝く包丁を右手に握り、彼女の身体の中心に立てた。

 

いま、右手に、少しだけ、ほんの少しだけ力を入れただけで、彼女は - 

 

 

 

手を止めたまま、時が過ぎていく。

 

おそらく数秒にも満たない時間であったろう。しかし僕には、このまま時が止まってしまったのではないかと思える程に長い時間に感じられた。

 

  
彼女の身体の震えは止まっていた。

 

彼女を押さえつける左手の感触で、ふと気づいた。

 

全てを受け入れたのだろうか。

 

恥ずかしいことに、この期に及んで覚悟が決まっていなかったのは僕の方だったようだ。
  

 

覚悟を決めよう。

 

  
時は動き出す。

 

 

刃を気持ち前方に押し込みながら、まな板に向かって落としていく。
  
よく磨かれたその刃の切れ味は鋭く、生き物と対峙していること忘れさせる程に手への反動がない。

 

彼女の身体が切り裂かれていく。

 

 

 

  
- サクッ。

 

 

 

  
彼女が裁断されたその音。

 

瑞々しさに溢れた生命を切りさいた音。

 

僕は、形容しようもない、得体の知れない快感を覚えた。

 

  
ふたつに割かれた彼女の身体はまな板の上で転がり、切り口を顕にする。

 

切り口から大量の体液が滲み出て、ごく小さな窓からわずかばかりに入る朝日に照らされ、怪しい光を放っている。

 

僕はそれを見て、悦びが身体の内側から溢れるのを感じた。

 

 

 

- 今すぐ彼女を、食べてしまいたい。

 

 

 

僕の五感が、彼女を求める。

 

  
ああ、彼女を今すぐ千切りにしたい。

 

欲望の赴くまま、醤油をかけて、口の中で彼女を噛み砕きたい。

 

 

ああ、彼女をおろし金で力任せにおろしてしまいたい。

 

彼女の身体がみじんになっていく音。手に伝わるその感触。想像するだけで、鼓動が高鳴る。

 

おろされて原形を留めなくなったその塊を、脂ぎった焼き秋刀魚と絡めたい。

 

 

ああ、彼女を出汁で煮込んでしまいたい。

 

鍋に閉じ込め、無理やり彼女に出汁を注入する。

 

白く澄んだその肌が、黒く堕ちていく姿が見たい。

 

 

 

  
しかし、

 

僕はこれから彼女をたくあんにするのだ。

 

食べられるようになるまで、早くとも約1ヶ月。

 

 

- 1ヶ月。

 

 

そんなに耐えられるのだろうか。今でさえ、彼女をすぐにでも受け入れたい気持ちが溢れているのに。

 

  
僕は唾を飲み込んで、耐える。

 

 

1ヶ月の、熟れた妖しい輝き放つ彼女の肢体を想像しながら。

  

  

 

 

 

  

<つづく>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回、大根を切っただけですけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

ワイパー